先生がスーツのポケットから鍵を出して玄関を開けた。
「どうぞ?」
玄関のドアを開けてくれた先生。
「お、おじゃします」
玄関を入ってすぐにキッキンがある。
キッキンの向かいに2つのドア。
多分、トイレとお風呂のドアだろう。
玄関から見えるキッチンは綺麗に片付けられている。
タバコの匂いと爽やかな香りがする。
「先生の匂いがする」
そうポツリと呟いた私に、後ろにいた先生はクスクス笑ってる。
「お前、変態だな」
「へっ!?変態!?」
振り向いて先生を見る。
先生はさっきよりも笑ってるし。
「変なこと言わないでよ」
先生にそう言われて、自分でも顔が赤くなるのがわかった。
「あのぉ、梨音さん?早く入ってくれません?後ろ、詰まってるんすけどぉ」
「あ、ゴ、ゴメンなさい!」
私は慌ててサンダルを脱いで、玄関を上がった。



