「………いっ!おーいっ!」



んっ?


誰かを呼ぶ声がする。


周りを見渡す。


河川敷には私しかいない。


…………と、言うことは、声の主は私を呼んでるの?


顔を上げて辺りを見渡すと、橋の上に1人の男性が立っていて、こちらに向かって手を振っていた。


でも全く知らない人。


新手のナンパ?



「いいか?早まるな!今、行くから待っとけよ!」



彼はそう言って走り出した。


…………へっ?


な、何?


私の傍に駆け寄ってきた彼。


全力疾走したのか息が荒い。


膝に手をついて“はぁ、はぁ”と肩で息をしていた。