今日は終業式。
明日から夏休み。
終業式が終わった後のHR。
終業式の校長の長い話と同じように小山先生の話が続いている。
「今年は受験の年だ。楽しい夏休みがあると思ったら大間違いだからな」
なんて言ってる。
皆はブーブー文句を垂れてる。
私は窓の外を眺めて、小山先生の話を左から右へ受け流していた。
HRが終わった後も、まだ文句言ってる。
だったら受験なんてしなければいいのに……。
そんなことを思いながら私は鞄を持って教室を出た。
玄関を出て校門に行く途中に、女の子たちに囲まれた先生がいた。
ニヤニヤ笑いながら話をする先生。
「おっ!藤井?帰るのか?」
私に気付いた先生はそう声をかけてきた。
「うん」
返事をして頷く。
「気をつけて帰れよ」
「さようなら」
「はい、さようなら」
先生はそう言って、また女の子たちと話を始めた。
私は先生に挨拶をして校門を出た。