先生は保健室のドアを器用に足で開けて足で閉めた。
ベッドのある部屋にそのまま行き、私をベッドの上に下ろした。
先生は私の手から鞄を取り、それを椅子の上に置く。
そして足元に畳まれて置いてある掛け布団を掛けてくれた。
「誰にも見られてないから安心しろ」
先生はそう言って、笑顔を見せた。
「えっ?」
私の心情なんて知らないくせに……なんて思ってたのに……。
そう言うってことは知ってたの?
先生はニコニコ笑顔で「じゃー、ごゆっくり~」と言って、ベッドの部屋から出て行った。
先生が出て行った部屋。
私は天井をボーと見つめていた。
先生から逃れようと思えば逃れられた。
先生の手を振り切ることだって無視することだって出来たのに……。
でも私は今、保健室にいる。
ここから出ることだって出来るのに……。
そう頭では思ってても行動に移すことが出来ない。
「はぁ……」
私は溜め息をついて、体をゴロンと横に向けた。
静かに瞼を閉じる。
心地良いベッドの上、寝不足の体。
睡魔が襲ってきて、私の記憶は遠退いていった。



