「私、帰るから……」
そう言って、先生に背を向けた時、先生に腕を掴まれた。
ギュッと強く腕を掴む先生。
“ビクン”となる体。
こんな時でも私の胸は“ドキドキ”鳴ってる。
「痛いから離して?」
「離さない」
握る力を少し緩めただけで離そうとしない先生。
「もう、ほっといてよ……。私のことなんて、ほっといて!」
私は泣きながらそう叫んだ。
「なぁ、藤井?何があった?」
静かにそう言う先生。
「だから、体調が……」
「嘘つくなよ……ったく……」
先生は溜め息混じりに呟くようにそう言った後、小さく舌打ちをした。
そして……。
掴んでいた手を離すどころか、掴んだまま私に近付いて来た。
まるで捕まえた獲物を逃さないように……。



