「大人しそうな顔してヤることヤってるって感じ?」


「ウリとかもやってんじゃないの?」



そんな話に彼女たちは大声で笑ってる。



「じゃー……もしかして雨宮先生も?」


「えぇ!やだ~!」


「わかんないよ~?お得意の色目使って先生の前で、か弱い女演じて倒れるフリしちゃってさぁ。男ってそういう女に弱そうじゃん?」


「それでお姫様抱っこして保健室に連れて行って……」



彼女たちはキャーキャー騒いでる。


凄い妄想。


想像力豊かな彼女たちが逆に羨ましい。


頭痛い。


人差し指でこめかみを押さえる。


気分悪い。


私のせいで先生のことを悪く言われるのは嫌だ。


彼女たちの私の変な噂話は続いてる。


しかもその変な噂話は、だんだん脱線して変な方向に行ってるし……。


今までクラスの子が私のことを言ってるのは聞いたことあった。


でもそれは我慢できた。


彼女たちの言ってることは本当のことだとわかってたから。


だけど……今の話は……。


本当に気分悪い。


ここにいたくない。


私は椅子から立ち上がった。


話をしていた彼女たちが一斉に私を見る。


私は彼女たちや教室にいる子たちを睨みつけるように見て、鞄を持つと教室から出た。