次の日――。


教室に入ると、賑やかだった教室は一瞬、静かになり、教室にいた皆が一斉にこっちを見た。


な、何?


私なんて学校では空気のような存在。


いてもいなくてもどっちでもいいみたいな……。


そんな私が皆から一斉に見られるなんて……。


こんなこと生まれて初めてだ。


特に女子が私を睨みつけるように見た後、周りにいる子たちと何かコソコソ話してる。


教室のドアから自分の席に行くまでの間でもジロッと見られるし……。


私、何かした?


席に着いて、窓の外を見ていても視線を感じる。



「でもさぁ、何で雨宮先生は藤井さんをお姫様抱っこしてたんだろうね~?」



聞きたくないと思っても嫌でも彼女たちの話が耳に入って来る。


“雨宮先生”という言葉に反応してしまった。


彼女たちの方をチラッと見る。


昨日、先生が私を保健室に運んだのを誰かに見られたんだ……。


胸が“ザワザワ”する。