【先生×生徒シリーズ】涙色の空





「持ってないと、合鍵あげた意味ねぇじゃん」



白衣を椅子の背もたれにかけ、リュックを肩にかけた先生はそう言って、私の横を通り過ぎる時、頭をポンポンして保健室のドアの方へ行った。



「藤井?早く荷物持って来い」


「えっ?」



先生を見ると、初めて先生に送ってもらうことになった日と同じように、保健室の電気のスイッチに手をかけていた。


あの日と同じように、やっぱり私には先生に送ってもらう選択しかないみたい。


ここで「やっぱり1人で帰る」と言って先生を怒らせるのも嫌だ。


私は鞄を持って、先生の傍に行った。