「夜遊びして寝不足か?」
そう言った先生はクスクス笑ってる。
「えっ?ち、違っ!」
「じゃあ、勉強でもしてたか?」
私は首を左右に振った。
親と喧嘩してイライラして寝れなかったなんて恥ずかしくて言えない。
「でもさぁ、屋上で、しかもコンクリの上でよく爆睡出来るよな?揺らしても何しても起きねぇし。ここまで運ぶの大変だったんだからな」
先生が運んでくれたんだ……。
グラウンドから屋上を見上げた先生の目には私が映っていたんだ。
「ゴメン、なさい……」
謝ることしか出来ない私。
「まぁ、いいけど。でも藤井って寝てる時は、ガキみたいにスースー寝息たてるんだな。何か可愛いなって思っちゃった」
「えっ?や、やだ……」
“可愛い”
その言葉に凄く反応してしまった。
先生は、お世辞で言ったのに、何反応しちゃってるんだろう。
私なんか可愛くないし……。
でも、そう思ってても恥ずかしくて顔が体中が熱くなっていく。
私は布団を目ギリギリのとこまで更に上げた。



