「…………んっ」
瞼を上げていく。
あれだけ重たかった瞼は重たさを感じない。
白い天井。
薬品の匂い。
ここは保健室だ。
私、屋上にいたはずなのに……。
何で保健室にいるの?
「起きたか?」
「うはぁっ!」
急に声をかけられて変な声が出てしまった。
私の顔を覗き込む先生。
久しぶりに、至近距離で見る先生の顔。
「“うはぁっ!”って何だよ」
クスクス笑う先生。
先生、近いです……。
お願いですから少し離れて下さい。
このままだと私の胸は爆発してしまう。
布団を鼻まで上げて、目だけで先生を見ようとするけど、恥ずかしくて見れない。
てか、ここにいる先生は3ヶ月前、私にキスしてきた先生で……。
私はそのお陰で保健室に行けなかったし、先生に会うのも恥ずかしいくらいなのに、でも先生は何事もなかったかのように笑ったり普通に話したり。
あのキスは夢だったんだろうか……。
それとも、やっぱり先生は女慣れしてるのか……。



