階段を上がり、鉄製の冷たいドアの向こうが屋上。


ドアノブに手をかけ、ドアをゆっくり開けていく。


“ギィィィ――”


重たい音と共にドアが開く。


ゆっくりと屋上に出る。


強い春風に髪が乱れ、スカートが捲れそうになるのを手で押さえて、屋上のドアと同じ鉄製のフェンスのとこに行った。


屋上からは校門と来客用の駐車場、その奥に校庭が見える。


校庭から校門に続く来客用の駐車場に桜の木があり、満開に咲いてる桜の花は、上から見るとピンク色の道みたい。


白い雲と青い空がどこまでも続いている。


私は空を見上げ、目を閉じた。


閉じた目にも太陽の光りを感じ、体中に風を感じる。


このまま飛べるんじゃないかと錯覚してしまう。