「おーい!いつまで泣き続けるつもりですかぁ?」
嗚咽を吐き出しながら泣く私に、先生は冗談っぽくクスクス笑いながらそう言ってきた。
「だって……涙が、止まらないん、だもん……」
止めようと思っても涙はそう簡単には止まってくれない。
こんなに泣いたのは初めてじゃないかな?と思うほど。
何で私はこんなに泣いてるんだろう……。
自分が何で泣いてるのかすらわからなくなってきた。
「泣くのを止めねぇとキスしちまうぞ」
「えっ?」
先生の言葉に思わず声が出る。
キス――。
その言葉に胸が“ドキン”と大きく跳ね上がった。
さっきまで涙が出ていた目から涙がスーと引いていくのがわかる。
顔を上げて、目を見開いて先生を見た。
先生はニヤニヤ笑ってる。
時が止まったかのような保健室。
ただ、自分の胸の“ドキドキ”という激しい鼓動だけが耳に響いていた。