誰と一緒のクラスだとか、担任や副担が誰なのか、そんなことには興味はなかった。
他の生徒がワクワクする離着任式にも興味はない。
ただ、ひとりになりたい……。
私の心の中にあるのはそれだけ。
私は始業式の後、近くにいた先生に気分が悪いと嘘を言って、これから離着任式が行われる体育館を出た。
気分が悪いと告げた先生は「今、保健室は開いてないぞ?」って言ってたけど、そんなの関係ない。
私が行くとこは決まっている。
ひとつは保健室。
もうひとつは屋上。
誰もいないシーンと静まり返った校舎。
私のスリッパの音だけが響いている。
私が向かった先は保健室。
保健室は職員室や特別教室がある校舎の1階の廊下の突き当たりにある。
スライド式のドアを開けようとしたけど、保健室は鍵がかかって開かなかった。
ホントだ開いてない……。
あの先生の言ったことは本当だったんだ。
まぁ、いいや。
保健室が開いてないなら屋上に行くだけだから。
私は保健室を後にして、階段で屋上に行った。