河川敷から私の家までは歩いて10分の距離だから車だと早くて、あっという間に家に着いてしまった。
ちょっと残念なような……。
「先生、ありがとう」
「いや」
助手席のドアに手をかけてドアを開けようとした時。
「藤井?」
先生に呼び止められた。
「ん?」
「あのさ、何て言ったらいいのかわかんねぇけど、何かあったらいつでも俺に話せよ?自分の中に溜め込むなよ?」
「うん。ありがとう」
先生の言葉が素直に嬉しかった。
「あ、そうだ!そんな寂しがりやの藤井には、俺からプレゼントをやろう」
「えっ?」
プレゼント?
「月曜日の放課後に保健室に来て?」
「えっ?プレゼントって何?」
「それは秘密だ。楽しみは後にとっておく方がいいだろ?」
先生の口から出たプレゼントの単語。
その単語を聞いただけで、私の胸はドキドキと高鳴っていた。