鞄の中から携帯を出して時間を確認した。
12時40分かぁ。
もうお昼過ぎてたんだ。
「さて、腹も減ったし帰るか!」
先生はそう言って、勢いよく体を起こした。
「藤井はどうすんだ?」
「えっ?私?私も帰ろうかな?」
先生と同じでお腹も空いたし。
「じゃあ、送って行くよ」
「えっ?い、いいよ。歩いて帰れるから」
「遠慮すんなって!」
先生はそう言って、色鉛筆やスケッチブックをリュックに入れて立ち上がった。
「ほら、行くぞ?早くしねぇと置いて行くからな」
そう言って、先生はリュックを肩にかけると、さっさと歩きだした。
どうしよう?って、先生の背中を見ながら迷っていたくせに、体は勝手に立ち上がり先生の後を付いて行っていた。



