「あぁ!腹減ったぁ!」
先生はそう言って“うーん”と背伸びをすると、そのまま草の上に寝転んだ。
今の先生は、さっきまで泣いていた私を優しく包んでくれていた大人な先生じゃなく子供みたい。
そのギャップがおかしくてクスクス笑った。
「何で笑うんだよ~!」
「だって、子供みたいだから」
「5歳も下の藤井に言われたくねぇよ」
先生はそう言ってクスクス笑った。
「あ、でもな藤井」
さっきまで子供っぽくて笑ってた先生が急に真顔になった。
「笑ってろ」
「えっ?」
「笑ってればいいことあるから」
先生はそう言うと優しく微笑んだ。
「あぁ!それにしても腹減ったぁ!なぁ?」
急に先生に振られてビックリした私を見てクスクス笑う先生は、やっぱり子供っぽいと思った。



