どれくらい泣き続けたんだろう……。
ゆっくり顔を上げていく。
先生と目が合った。
“ドキン”と高鳴る胸の鼓動。
「少しはスッキリした?」
笑顔でそう聞いてくる先生に、私は“コクン”と頷いて先生の体から離れた。
スッキリしたのは嘘じゃなかった。
今まで1人で泣いても辛さも苦しさも拭い去ることは出来なかった。
逆に辛さや苦しさが増すだけで、しまいには自分が何で泣いてるのかわからなくなるくらいだったのに……。
でも今日は何故か少しだけスッキリしている自分がいた。
誰かに抱きしめられて泣いたせいなのか……。
それが先生だったからなのか……。
自分でもよくわからない。



