「私ね、趣味も好きなことも何にもないんだ……」
私は川の向こう岸でバーベキューを楽しんでいる若者のグループを見つめながらそう言った。
笑って、はしゃいでいる若者のグループは先生が言うように青春真っ盛りで生きてるだけで楽しい人達なんだろう……。
「先生が言うように、私たちの年代って青春真っ盛りで、楽しいことがいっぱいで、友達と笑ったり泣いたりして……。でもね、私にはそれが出来ないの……」
「藤井……」
先生が切ない目で私を見る。
「学校でも1人でさ、家に帰れば学歴主義の両親にお姉ちゃんと比べられて……。私は何のために生まれてきたんだろう、生きる意味って何だろう?何で死にたいと思う人間に神様は生を与えたの?って、暇さえあればそんなことばかり考えてて……。ねぇ、先生?」
視線を向こう岸から先生に移した。
「教えて?生きる意味って何?」
ねぇ、先生?教えてよ。
なのに先生は何も言わずに、ただ私を見ているだけだった。