「先生?」


「ん?」



先生はスケッチブックを見たまま返事をした。



「質問していい?」


「うん、何?」



先生はスケッチブックと空を交互に見ながらそう言った。



「生きる意味って何?」


「はっ?」



先生は色鉛筆を動かしていた手を止めて私の方を見た。


大きな瞳を更に大きくさせて私を見てる。



「それは……宿題か?」



大きく目を見開いたままの状態でそう聞いてきた。



「ううん……」


「えっ?違うの?」


「うん」



先生は困ったような呆れたような何とも言えない顔で私を見ている。


こんな質問をして引かれることくらいわかってた。


でも“生きてるだけで楽しい”って言ったのは先生で……。


だから生きる意味がわからない私に教えて欲しい。


生きる意味を――……。