「さっきも言ったけど、藤井は高校生で10代で青春真っ盛りじゃん?10代なんて生きてるだけで楽しいとかさ、誰が好きだとか、アレが好きだとかさぁ……」



“生きてるだけで楽しい”


先生の言葉に胸が“チクン”と痛んだ。


近所のおばちゃんにも同じようなことを言われたことがあるような……。


『今が1番楽しい時でしょ?』


って……。


何も言わずに笑っていたけど、近所のおばちゃんの言ってる意味がわからなかった。


“今が1番楽しい時”


私に楽しい時なんてなかった。


生まれた時から、お姉ちゃんと比べられてきた。


幼稚園の頃は、外で遊ぶことなく教室で1人、ずっと絵を描いてるような変わった子供だった。


小学生、中学生の時は休み時間も自分の席で本を読んでる子だった。


悪口を言われてもイジメられても泣くことなく誰にも言うことなく耐えていた。


生きてることさえ辛いと感じる私に、楽しいと思えることなんてない。


それは今も昔も――。