「俺にさぁ、初めて彼女が出来たのが16ん時でさぁ……」
“チクン――”
先生の口から出た“彼女”という言葉を聞いて胸に針を刺したような鋭い痛みが走った。
先生は女性経験もあって、だから付き合ってきた彼女がいたのなんてわかってるはずなのに……。
しかもそれは先生と私がまだ“先生”と“生徒”になる関係の前の話で……。
なのに何でこんなにも胸が痛むのだろう……。
何でこんなにも嫉妬してるんだろう……。
「……うん」
先生の彼女の話なんて聞きたくないと思ってるはずなのに。
なのに心のどこかでは、少しは先生の彼女のことを聞きたいと思ってるのか、私は足先にある草を見たまま返事をした。



