「あのさぁ……藤井……」
さっきまで冷たい視線を突き刺していた先生。
でも、私のことを呼んだ先生は冷たい言い方ではなくて、いつものように優しい言い方だった。
「ん?」
私は先生をチラッと見て返事をして、すぐに目を逸らした。
「俺は今まで付き合った彼女を妊娠させたことはないよ。嘘じゃないから」
「うん……」
私は先生の言葉に、足元の草を見ながら返事をした。
「俺が昨日、鎮痛剤を飲んでた藤井に言ったことも、今日も同じことを言ったのも、それは今まで俺が見てきたからなんだ」
「えっ?」
私は足元の草から先生の方へ顔を向けた。
見てきた?
先生は一体何を見てきたって言うの?



