空気清浄機彼女

小春がそう言った瞬間
一陣の風が吹きわたり

彼女の姿は見えなくなった。




誰もいなくなった公園で
男は座り込んだ。



絨毯のように敷き詰められた
花びらを手にとる男。


「散っていく桜を愛するのは
悲しすぎるよな」


そうつぶやくと

男は大きなくしゃみを
また公園に響かせた。


言い表しようのない気持ちを
抱えた男は

バイクと2人
それからもずっと公園で座り込んでいた。



散っていく桜。
去っていく彼女。


春の終わりを感じ取りながら
男は立ち上がり歩き始める。


自分の足で一歩一歩と。