「メール見たわよ」

今年の桜最後の一日に
小春は男に呼び出され

木の下に立っていた。

アルカイックスマイルを浮かべた
彼女の顔。

その顔が男の異様な行動を見て
みるみる不思議そうな顔に変わる。

「バイクなんかどうするの?」

小春は尋ねるが男は答えない。

「君は運命の人だと俺は思った」

男がいきなり小春にそう言った。

小春の動きが一瞬止まり
頬がほんの少し赤くなる。