自分は神の化身だと言い続ける少女は、その言葉が嘘ではないと主張するかのように、老いることが無かった。

 彼女は本当に神の化身だと言う者もいれば、整形を繰り返していると言う者も居たが、今となっては本当の彼女を知る者は居ない。


なぜなら彼女を知る人物を彼女がその手で亡き者にし続けてきた為だ。

つまり、彼女が殺してしまっているためである。


 神の化身だと言う彼女を知る者たちはその言葉に耳を傾けないどころか、老化しない風貌を化け物扱いする事も日常になっていた。

 唯一、年の離れた弟だけが彼女の味方だったがその年の差が開きすぎている疑問にその出生に気持ちが悪いという者も居た。

 最終的に、自分が神の化身であると何度説明しても全く聞く耳の持たない実の家族に彼女が警告をしたのは、弟が50歳を越えた頃だった。

 彼女もまた、幾つも年を重ねているはずが、その風貌はまるで10代の少女。

 気味悪がった家族は、彼女が三十歳を超えた辺りから近づくことすら辞めた。

 その行動が彼女の怒りをさらに強める。