最終的に水の固まりは直径一メートル程の大きさになり、それ以上小さくならなかった。

 身体がはみ出し、水の量も変わらなくなったところで火栄と氷斗にその中に入るように促す。

「おれ達が入った所で、何も変わらないと思いますが…」

 無駄骨に終わると言い続ける火栄の言葉を気にも留めずに、促し続ける雷志の言葉に根負けした二人は、渋々水の中に入って行った。

 面倒臭そうに入り込む氷斗と火栄の表情がすぐさま一変する。
 二人の体は輝き始め、みるみるうちに水は吸収され、全てが彼ら二人に取り込まれてしまった。

 自分の身体に変化を感じているのか、自分の身体をまじまじと見つめる二人に背を向け、雷志は歩き出した。

「これから何をすればいいのか探しに行かねぇとな」

 どこに向かうでもなく空中散歩を始めた彼には、火栄や氷斗も苦笑いを浮かべるしかなかった。