雷志はおもむろに両腕を水の中へ突き刺し、体を入れていく。
 自分達が中に入り水がこの量まで減ったのだから、体でもう少し水を吸収出来ないかと考えたのだ。

 しかし、ただ入り込んだだけでは吸収出来そうにもないし、一人では少し不安なため風稀を呼び、二人で水の中に入り込んだ。

 ギリギリ二人が包まれる程度の量だが、雷志はお構い無しでその水を見つめ何かを考えている。

 暫くすると、風稀にあぐらを掻くように勧め、自分も同じように座り込み、双方の背中をくっつける。

 座禅を組んでいるかのように目をつぶり、周りの水分に気持ちを集中させる。その雰囲気を感じ取ったのか風稀も俯き、気持ちを落ち着かせていく。

 二人を包んでいた水は次第に、揺れながら小さくなっていく。そして、二人の身体が徐々に光を帯びているように見えてきた。
 目の錯覚なのか、それとも実際に光っているのか。火栄と氷斗はその光景から目が離せなくなっていた。