風稀が布団に潜り込んだ音を確認した後、雷志もまた自分のベッドに潜り込んだ。

 そして、いつしか眠りについていた。



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 真夜中、眠りに付いた二人の近くで、二つの光の玉が浮いている。

 この二つの玉が何かの道標となるのだろうか。

 二人とも一向に起きる気配がない。二つの光もまた、佇んでいるだけで眠りを妨げるようなこともしていない。



 朝方、部屋に差し込む太陽が雷志の眠りを妨げる。そこで目にしたのは、小さな人。

 夜中、光の玉だったものは、実は妖精のような生き物だった。

 それが視界に入るや否や、雷志は口をあんぐりと開けて凝視している。


「オレが案内しますよ、『授かり人』様」


 喋った上に、『授かり人』とか『案内する』とか言うということは、つい昨日聞いた女性の話は本当だったようだ。

 風稀の方を見ると、枕元が明るく光っている。

 間違いない。

 雷志と風稀は『授かり人』の運命から逃れられないようだ。