「え…失恋…て、陵?」


「うん…まぁね」


「何で…だって二人は…」


「だーかーら、皆の勘違い。これで良かったんだって」



蜜はあたしを
じっと見た。



「…ほんとに…良かったの?」



ほら、ね。



「鳴は…意外と不器用なんだから…」



やっぱり。
意外と鋭い蜜には
意外と不器用なあたしは
こういう事は
かなわないんだ。



「う…ぅ…鳴ぅ~……なっ…泣いて…いいん…だょぉ…?」


「ちょ…蜜!!泣かないでよ!!蜜が泣いてるんじゃん!あたしが泣けなくなるでしよぉ?」


「だ…って…っ…悔しいんだもん…」



わかってないなぁ。
悔しいのは
あたしの方だよ。



まさか蜜に負けるなんて。
でも…こんな暖かい蜜を
見ちゃうと、
許さないわけには
いかないんだよね★




「ほらぁ、蜜!!式、始まるよ。行こう」


「ぅん~…」

















あたしの卒業式。
二度目の節目を
迎えたあたしは、
恋の節目を
討つことも
出来ました……。