「い、いらねーよ」

「まぁまぁまぁ~ここは貰っておくべきだってー」

と言って俺の手に2つ折りにした紙を握らせ、去って行った。


「おいっ・・・」

ったく・・・
紙を開くと《小野瀬のメアド》という文の下にメアドが書かれていた。

どーすんだよ。メエルできる訳ないじゃん。。。
あっ、駿にあげるとか@・・・でもなぁ、、うーん・・・

考えてるうちに、今日の授業も終わり部活も終わり、そのまま持ち帰ってしまった。


「ただいま」

ん?誰の靴だ?女性ものの靴、、、

「あっおかえり~」

「っ!!」

「何ビックリした顔でー」

そこにいたのは、1番上の姉の「琴美」だった。
歳は23。産まれたばかりの子供(息子)もいる。

旦那と同居してんのに、、、なんでここに。


「・・・なんでここにいんの?」

「いちゃ悪い?」

「いや、別に。」

「お母さんに呼ばれたのー」

「何のために」

「久しぶりに一緒にご飯食べましょうって」

「えっ、、」


嫌な予感。。。


「だから今日、浩明さんもくるからね~♪」


まぢかよ。

「浩明」とは、姉:琴美の旦那。

俺はこの人が苦手だ。親族で俺が1番歳が近いからって、色々話してくる。
仕事の愚痴、姉とのラブラブエピソード、産まれたばっかりの息子の親バカ話。
聞いてて疲れる。酒を飲むともっと、めんどくなる。

俺はただ「ふーん」「へぇ~」みたいに言ってるだけ。

今日くるときいて、少しテンションが下がる。


「んぎゃぁっー」

赤ちゃんの泣き声。

「ごめんっちょっと泣いてるから;」

といい、姉は赤ちゃんの方に行った。

さっきも言ったけど、姉には産まれたばかりの息子がいる。
名前は「幸太」幸せになって欲しいから~って言ってたような@

俺もおじさんになったんだ。。。とも思うが、男兄弟のいない俺にとっては、凄く嬉しいことだった。

もっと大きくなって一緒に遊ぶのが楽しみだなぁ~とか思ったりもするww


「けんとー!!!」

姉に呼ばれる。