イジワル王子に恋して

「みっこぉぉぉ〜〜」

教室に入るなり
彩子はみっこに飛びついた。

「おっ、来たな。幸せもの!」

みっこは彩子のほっぺを
びよーーんと伸ばす。


「むーーー」

「変な顔っ♪」

「だぁっ!」


みっこといたずらから
抜け出すと彩子はしゃがみこんで、机に顎をのせた。

「で?」

みっこがキラキラと
大きな瞳を向ける。

今日もマスカラばっちりだ。


「…やっちゃった?」

みっこがうっしっし〜と
歯を見せてニヤニヤする。

「…やり逃げされた。」


彩子は
ほっぺをめいっぱい膨らました。