イジワル王子に恋して


「圭くんっ!」


彩子は圭くんの姿を見つけるとそのまま立ち尽くした。

圭くんは自転車から降りると
ゆっくりと彩子の所に歩いて来る。


「馬鹿。また転んだのかよ。」

膝を見て
圭が鼻で笑う。

やっばりイジワル。




でも
やっばり好き…


「彩子…」


圭は
泣いてる彩子をぐっと自分の胸に引き寄せた。


「お前がいないとつまんねぇ。」

「圭く…」

「ずっと近くにいろ。俺のものでいろよ。」


そして
肩に手を置いて、軽く体を離す。


「…キスするからな。」


圭の綺麗な瞳が彩子を捕らえる。
彩子の胸がぎゅっと締め付けられた。


「付き合うなら…じっとしてろ。」


彩子が目をつぶると
甘い感触が唇を包み込んだ。