イジワル王子に恋して

「えっ?」


田中先輩とみっこが
目を丸くして、こっちを見てる。

「あ…」

涙がポロポロと
頬をつたう。


「な…やだ…なんだろ。」

彩子は笑いながら
両手で涙をぱぱっとぬぐった。

「ゴミ…入っちゃったかな?」

「彩子…」


みっこが
彩子の肩を掴む。


「私…私…」


圭くんの顔が
頭に浮かぶ。


いつもイジワルな圭くん。

イジワル言いながらも
最後まで宿題も手伝ってくれてた。


「逢いたい…」

「逢いたいの…」



大粒の涙がこぼれ落ちる。


チリンチリン

その瞬間
あの音色が聞こえた。