イジワル王子に恋して

「彩子、大丈夫?」


放課後
一人で教室に残る彩子。


「何さ〜いつもの事じゃん。追試なんて〜どうせ落ちこぼれだもん。」

その笑顔が
強がりに見えた。


「…私、圭先輩に言っちゃった。」

「え?」

「彩子が田中先輩と付き合ってない事。」


彩子は黙り込む。


「いいよ。どっちだって圭くんは来てくれなかった。もうおしまい。」


彩子は教科書を開いて
ブツブツ公式を唱えている。


「彩子…」


ガラッ!


その瞬間
教室の扉が勢いよく開いた。