イジワル王子に恋して

バカ!

バカバカ…!



彩子は走りながら、
唇をぬぐった。


こんな愛のないキス…

こんなんじゃ
圭くんの周りにいる人達と一緒だ…


「彩っ!」


廊下でかるく
誰かと肩がぶつかる。


「みっこ!」

「あんた…何、泣いて…」

彩子は親友の胸に飛び込んだ。

そして
しゃくりあげるように涙を流した。


みっこは黙って
彩子の背中をたたいた。


「彩子…無理しなくていいよ…?」


みっこの声が
耳に響く。


どうしたらいいんだろう…



好き…好きなの…
圭くんが好き…