イジワル王子に恋して

「はぁ…」

唇が離れると
彩子は甘い吐息をもらした。


やばい…


圭は体を起こすと
髪をくしゃっと握った。


「わりぃ。」


彩子は黙って体を起こすと
髪を耳にかける。


「…圭くんは、なんでキスするの?」


彩子は真面目な顔をして
俺を見る。



好きだからに決まってるだろ?


…なんてぜってぇ言えねぇ。


「したいから。」

「なんで?」

「男だから…」


彩子はちょっと荒々しく立ち上がる。


「って事は誰でもいいって事じゃん!」

「…」

「バカにしないでっ!」


彩子はポケットから出した何かを投げつけてきた。


「痛っ」

「もう…嫌いっ!大嫌いっ!」




彩子に言われた
初めての大嫌いだった。