イジワル王子に恋して

「あ、きたきた。」


田中先輩が手を振る。


彩子は、みっこに手を引かれるがまま
田中先輩のもとに走った。

「はじめまして。彩子の親友の高橋美智子です。よろしくお願いします。」


みっこは
礼儀正しく挨拶をする。

田中先輩も
同じように挨拶をした。


「あれ…彩子ちゃん、圭の所いかなくて平気?」


圭くんの背中には女がしがみついている。

「…大丈夫です。」

彩子はそれを見て
唇を噛み締めた。


「大丈夫だよ…彩子ちゃん…」

田中先輩は少し
申し訳なさそうに彩子の頭をぽんぽんっと撫でた。

「あ、日焼け止め…」

そういって
田中先輩は(名前)の額をぬぐう。


「白くかたまってた。はは。」


そう言って
また優しく笑った。