「ねぇ、羽流さん。私・・・、

 もう・少し・だけ・・・もう少し・だけ・で・いいから

 貴方の・傍に・居たかった・・・。


 ほんの・少しだけで・よかった・のに・・・。」

そう言って彼女は涙を流した。

流れた涙が頬をつたい、しばらくして乾いた・・・。


凛は呼びかけには応じない・・・。

もう二度と目を開けることはなかった。

もう二度と俺に呼びかけることも、話すことも、

もう二度と彼女の歌声を聞くことも、

もう二度と抱きしめ合うことも、

もう二度と俺の頬に触れることも、

もう二度と微笑み返すことも、

もう二度と・・・。


俺の前に彼女はいなかった。























      ・・・俺は世界で一番大切な人を失った。