俺は以前から考えていたことがあった。

どうすれば凛を恐怖から救えるのだろうか・・・。

そして、残り少ない時間をどう過ごせば彼女は救われるのだろうか・・・。

俺は坂井にある事を相談するために、飛行機で彼女の元に向かった。
坂井はその時仕事で大阪にいたのだが、一刻も早く伝えたいことがあって、
俺は迷わず飛行機に乗り込んだのだ。



新幹線の中で俺たちが作った曲を聴いていた。
あれからしばらく聴くことはなかったから。


すると不思議と涙が流れてきた。
自分でもなぜなんだろうと思う・・・。
隣に座っている人も俺を不思議そうに見ていた。


・・・俺は今になって彼女の書いた歌詞の意味がわかるようになった。

あの時は気付けなかった、あの歌詞の意味が・・・。




「眩しい光に照らされて 私の背中に羽がはえた
軽くなった体が浮かび 天へ昇ったの


月明かりが綺麗な夜 二人で歩いたこの道や思いを
確かめ合ったあの夜のキラキラと輝いた日々
すべての記憶が色褪せることなく 私が胸に抱いて昇るから


春は木漏れ日抱いて 桜舞う中で幾年も
どんな季節も貴方が幸せであるように・・・

写真も数えるほどで 過ごした季節も少ないけれど
一つでも忘れないように 心の中で何度も甦らせるの

貴方に灯された光を この声が枯れるまで歌にして届けたい 
伝えたい 
溢れる想いを

カレンダーで刻々とタイムリミットを刻む私だけど
日が経つごとに大きくなる想い


叶わない夢だけ増えてゆく
 

 もう一度季節が巡り 桜の花びら散りゆく頃
私は星となり 傍にいれないけれど



貴方をいつまでも照らし 輝き続けるから・・・」