旅の終わりの物語

「それはエルが死にたいって言ったからです」

小さな魔物が身体を震わせて訴えてきた。

「でも自分では死ねないって」

そうだな。エルは天竜人、天竜人は自分では死ぬことが出来ない。人の血が入っていてもそうだったのだろう。

そこは魔族よりも因果な一族なのかもしれない。

「アストレイ様なら出来るっていったんです。でもアストレイ様は引き受けてはくれないだろうってエルはずっと泣いていました。だから僕ら言ったんです。僕らを殺せばアストレイ様はきっと来てくれるって」

魔物達は必死にエルの弁護をしている。

「わかった。お前たちがどれ程に勇者エルナディアを慕っているか理解できた」

アストレイはリンゼイが出したお茶に口をつけながらどうしたら良いかを思案した。

「アストレイ様、エルをお傍においていただくことは出来ないでしょうか?」