魔王は倒れた。

勇者たちの手によって。

世界は平和を取り戻した。

魔王を倒した仲間たちは自分たちの場所に戻って行った。


だが真実は少し異なっていた。

「皆、戻ったようだな」

「うん。後はあなたを送るだけだよ、レイ」

淡い空色の髪をと緑色の目をした少女が、銀の髪と金の目をした男が風の吹く丘で話していた。

「ごめんね。下りてもらって」

「仕方あるまい。オレは死んだことになっているのだから」

「じゃあ行くね」

少女は、懐から小さな鈴を取り出して鳴らした。

すぐさま、白い羽を持ったドラゴンが舞い降りた。

二人はドラゴンの背に乗ると翼を羽ばたかせドラゴンは飛んだ。