………もう。 昔から私は由稀にはキツく言えるけど、慶ちゃんと稜ちゃんにあまりキツイことは言えない。 “差別”というよりは、“区別”。 由稀の場合はキツめに言っても、まだ懲りないくらいだ。 優しくしていてはアイツの思うがままになってしまう。 その点、慶ちゃんや稜ちゃんは私にとっては頼れるお兄ちゃん(慶ちゃんは若干頼りないけど)なわけで、 私がキツく言うのも筋違いな気するし。 ──…何より、この2人が落ち込んだ表情に私は弱いのだ。