そうこう言っているうちに、家に着いてしまった。 「由稀、先ご飯食べちゃう?」 「う~ん………、そうしよっかな」 真っ先にキッチンに向かって、コンロにセットされた鍋を温める。 この鍋の中には、昨日の残りのカレーが入っている。 「…あれ?」 「どうかした?」 「稜介帰ってきたよ」 「…稜ちゃんが?」 時計を見ても、まだ6時。 帰ってくるには早すぎない? 「ほんとだ…」 「ただいま」 玄関を覗くと、由稀の言う通りの人物が立っていた。