だから、こんな癖もつい許しちゃうんだけど。 「…じゃあ、いってくるね」 「いってきます」 「うん。いってらっしゃい」 小さく手を振って、2人を見送った。 「ずるいよねー。 慶人や稜介ばっか」 「あれはずるい!! 僕なんて、婚約者の千夏ちゃんと10年も離ればなれで…」 「誰が婚約者だなんて決めたの? 憐れリューク、昔から僕のちーちゃんなんだから」 「いやいやいやいや、千夏ちゃんは昔から僕のだし」