そう言って、私の背中を追いかける。 鮎川由稀(アユカワユキ)、家庭科部1年。 この学校の3人の王子の1人に数えられている。 ───…そして、我が弟。 瑠璃曰く、“あのかわいらしい容姿で潤んだ瞳に見つめられれば、落ちない女の子はいない!!”らしい。 廃部寸前の幽霊部だった家庭科部を総人数100人越えにした記録を持っている。 「ちーちゃん、あのね」 「うん?」 「今日の調理実習で、ちーちゃんにクッキー作ったの!! 食べてくれる?」