そう言って、2人ともいつものように私を抱きしめた。 …きっと、これは癖なのだろう。 私が物心ついた時には、毎朝学校へ行く前に慶ちゃんは私を抱きしめていた。 ぎゅっと、しばしの別れを惜しむように。 そして、私よりも1年早く学校へ通いだした稜ちゃんも慶ちゃんと同じように抱きしめた。 常日頃から一緒にいる時間が今も昔も長い由稀と違って、2人はなにかと忙しくて一緒にいられる時間は短い。 いつもベタベタひっつく由稀と違って、慶ちゃんや稜ちゃんは控え目。