「稜ちゃん、そんな冷たいこと言わないでよ…」 「でも、千夏や由稀の食べっぷりに納得できるおいしさだったよね。 すごくおいしかった」 「それは言える」 各々にあの料理がああだったとかこうだったと語っていると、不意に誰かから声をかけられた。 「すみません、そこのお嬢さん」 「………私、ですか?」 振り向くと、そこにいたのは慶ちゃんたちに負けず劣らずの端整な顔立ちをした同い年ぐらいの男の子だった。 瞳は青くて、髪は茶色に近い。