「慶人、この雨風だぞ。 行けるところなどあるのか?」 「この間、知り合いに教えてもらった夜景が綺麗らしいレストランにでも行ってみようかなって。 …この天気じゃ、夜景は無理だろうけど」 夜景が綺麗なレストラン…。 そんなとこ、今まで行ったことない。 綺麗なレストランなんだろうけど、やっぱり気になるのは……… 「…慶ちゃん、そのレストラン、高級なところなんじゃない?」 「千夏ならそう言うと思った」 そう言うと、財布から何やら札みたいなものを取り出した。