殺気に満ちた彼が竹刀の如く構えた鉄パイプは、普段稜ちゃんが部活で打ち込むものの数百倍の威力を生むのではないか。 あれで撲殺…なんてことは……… 「………ないないないっ!!」 ひとりで考えて、ひとりで恐ろしくなって首を振った。 すると、考えるよりも先に動いたのは体だった。 「…お願い。やめて」 気がつけば、私は瑠璃を庇うようにして両手を広げて立っていた。 殺気に怖じけることなく、真っ直ぐに彼らの瞳を見つめ返す。