ほら、みんなそのたとえについてはノータッチだし。 稜ちゃんは我が家の天然記念物に指定すべきだと、改めて思った。 「………生かしておけぬ」 「…同じく僕も」 「生きてるのが罪だよ」 「教え子には手をかけたくないけど……」 稜ちゃんが床に落ちていた鉄パイプを拾った。 「ヤバイ……!!」 背筋に冷や汗が流れた。 もうダメかもしれない…… 稜ちゃんに棒状のものを持たせてはいけないのだ。 それは、まさに“鬼に金棒”…… 私は未だかつて棒を手にした稜ちゃんに敵う人を、見たことがない。